SONYの最新フルワイヤレスイヤホンWF-1000XM4を購入してかなりの長期間使用したので、今更感は否めませんが、実機レビュー記事を書きました。
音質やノイズキャンセリングなどのメイン機能のレビューはもちろん、イコライザー設定やイヤーピースの交換までWF-1000XM4を「使い倒している」筆者が余すところなくレビューしました。
また、AirPods Proとの比較や、iPhoneでの便利な設定も解説しているのでiPhoneユーザーは必見です。
WF-1000XM4について
やはり音質が素晴らしい
やはり最大の特徴の1つはその音質の良さです。
音質のアップスケーリング機能「DSEE Extreme」、ハイレゾ再生が可能なLDAC対応、低音域が強化された新開発のドライバーと進化が盛りだくさん。
詳しくは次項の実機レビューで詳しく語っています。
業界最高クラスのノイズキャンセリング
もう1つの大きな特徴は業界最高クラスをうたうノイズキャンセリング機能。
2つのマイクにより、外音と再生中の音源をデジタル化したものを統合し、外音のみを打ち消す逆位相の音を生成します。
また、前作よりも処理能力が向上した統合プロセッサーV1というSONY独自開発のチップが搭載されており、ノイズキャンセリング機能が進化しています。
こちらも詳しくは次項で解説します。
スペック
スペック概要は次の通り。
カラー | ブラック プラチナシルバー |
型式 | 密閉,・ダイナミック(カナル型) |
ドライバーユニット | 6mm |
質量 | 約7.3 g x2 |
通信方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
連続音声再生時間 | 最大8時間(NCオン) / 最大12時間(NCオフ) |
充電時間 | 約1.5時間 |
充電方法 | USBーC充電/ワイヤレス充電 |
防水性能 | IPX4(防滴) |
機能一覧
以下がWF-1000XM4の主要な機能一覧です。
- ノイズキャンセリング/外音取り込み機能
- ハイレゾ、360 Reality Audioに対応
- 行動や現在位置によって自動でイヤホンの設定を切り替えてくれるアダプティブサウンドコントロール
- 話し始めると自動で再生停止し、外音取り込みモードに切り替わるスピーク・トゥ・チャット
- イヤホンを外すと再生停止する検出機能
- Amazon AlexaとGoogleアシスタントを搭載
- 最適なサイズのイヤーピースを判定してくれる機能
- 専用アプリで最後に接続した場所を表示(Androidのみ)
便利な機能が盛りだくさんで、「最新鋭のハイテクイヤホンを使っている」という良い気持ちになれます。
WF-1000XM4の実機レビュー
外観
本体、ケースともにマットな仕上がりにゴールドのメタリックが映えて高級感を感じます。
前作よりも本体が小さく、耳に装着した際も収まりよく見えます。
ケースが自立するのも地味にうれしいポイント。
音質レビュー
さすがはSONY。音質は期待通り最高です。
低音から高音までしっかりと聴こえるバランスの良い音で迫力も十分です。
BOSEのようなはっきりとした特徴のある音ではありませんが、バランスが良く
イコライザー設定により、自分好みの音にカスタマイズすることも可能です。
LDAC搭載によりハイレゾを実現していますが、筆者の耳には違いがわかりませんでした笑。
逆に考えると、LDAC非対応のデバイスでもハイレゾ相当の音質へアップスケーリングしてくれる「DSEE Extreme」が素晴らしいのでしょう。
こちらの開発者インタビューからもDSEE Extremeのすごさが伝わります。
そして、筆者の耳にもはっきりと違いがわかったのが「360 Reality Audio」。
360 Reality Audioはソニーが提供する独自の立体音楽体験です。
イヤホンの外側遠くで音楽が流れているように錯覚し、思わずイヤホンを装着しているか確認してしまう程でした。
音の遠さ、上下方向の広さが通常のサラウンドとは段違いです。
説明が難しいですが、是非1度視聴されてみることをおすすめします。
ただ、対応しているストリーミングサービスがマイナーであることや、配信アーティストが少ない点が残念なポイントです。
Amazon Music Unlimitedではスピーカーからの再生にのみ対応しているため、イヤホンからの再生にも対応することを期待しています。
【追記】Amazon Music Unlimitedでも360 Reality Audioのイヤホンからの再生に対応しました!
イコライザー設定でさらに音質UP
先ほど少し触れたイコライザー設定。
デフォルトで8種類のカスタムが用意されており、その他にも自分で自由に設定することもできます。
おすすめのイコライザー設定をご紹介します。
イヤガズムエクスプロージョン(Eargasm Explosion)という有名なイコライザー設定で、どんなジャンルの音楽にもマッチします。
設定は次の通り。
左から+6 +5 +6 +10 +8、CLEAR BASSはお好みで(筆者は)。
一度試してみてはいかがでしょうか。
ノイズキャンセリングと外音取り込み機能のレビュー
空調音やキーボードのカチカチ音はかなり聞こえずらくなります。
車や掃除機といった大きな騒音、人の話し声は半減ぐらいかな?という印象です。
自分で書くのも恐縮ですが筆者はかなり耳が良いためか、正直なところそこまでの感動はありませんでした。
しかし、他の人の様々なレビューを拝見するに業界最高クラスのノイズキャンセリングレベルということは間違いなさそうです。
ノイズキャンセリングをONにしていると、スマホの音量は1でも十分すぎるほどよく聴こえるため、耳にも優しいというポイントもノイズキャンセリングの魅力です。
コロナが落ち着いたら飛行機内でも試してみたいですね。
外音取り込み機能も素晴らしいですが、筆者はこれまでインナーイヤー型イヤホンを愛用していたため、こちらもそこまでの感動はありませんでした…。あくまで感動しなかったというだけで機能自体は素晴らしいです笑。
ノイズキャンセリングモードには風ノイズ低減機能があり、風切り音が無くなるのだが、外音取り込みモードには風ノイズ低減機能が存在しない。
風切り音が気になるのは外を歩いているときや自転車に乗っているときのため、やはり外音取り込みモードでも風ノイズ低減機能を利用したい。
ファームウェアアップデートで改善希望ポイントだ。
動画視聴やゲーム時の遅延は感じるか
アクション映画を見てみましたが遅延は全く感じませんでした。動画視聴に関しては遅延は全く問題ないと言ってもいいでしょう。
またスマホゲームも違和感なくプレイすることができました。
しかし、タイミングのシビアなFPSゲームなどにはやはり厳しいといった印象です。
ところで、遅延の大小はコーデックによって決まります。
WF-1000XM4が対応しているコーデックはSBC、AAC、LDACの3つのみで、apt-X系には対応していません。
「コーデックって何?」という方もいると思うので、次の表に簡単にまとめました。
WF-1000XM4の対応 | 対応端末 | 遅延 | 音質 | |
---|---|---|---|---|
SBC | 対応 | 全ての端末 | △ | × |
AAC | 対応 | 全てのiOS端末と 多くのAndroid | ○ | ○ |
LDAC | 対応 | 一部のAndroid | × | ◎ |
apt-X | 非対応 | 多くのAndroid | ◎ | ○ |
表の通り、WF-1000XM4は低遅延のapt-Xに対応していないことで少し話題となりました。
iPhoneのAAC接続ではスマホゲーム、動画視聴をする分にはほとんど遅延は感じませんでした。
FPSなどのゲームプレイに使用しようと思っていたAndroid勢の方にはapt-X非対応が痛いポイントかもしれません。
ワイヤレス充電とAlexaが超便利
WF-1000XM4はワイヤレス充電にも対応しているため充電が快適。
ただ、ワイヤレス充電時に本体が熱を持つのが少し心配…。
また、Alexaなどの音声アシスタントを搭載している点も魅力的です。
Amazon Musicの楽曲、プレイリスト、ステーションの再生を音声で操作できるので超便利。
また音声アシスタントを用いることで、タップ操作のできない音量の調節も可能です。
音声アシスタントはAlexaとGoogleアシスタント。
iPhoneでの利用であればSiriも選ぶことができる。
しかし、この3つの音声アシスタントの中から1つしか設定することができない
デバイスの操作にはSiri、Amazon Musicの操作やスマート家電の操作にはAlexaを使用したいため、同時に利用できないのは残念だ。
イヤーピースを交換してみる
自分好みのイヤーピースに交換することができる点もWF-1000XM4の魅力の1つ。
純正イヤーピースのサイズはS,M,Lの3種類ですが、筆者の右耳にはLサイズでも小さかったためイヤーピースを交換しました。
以下の記事でおすすめのイヤーピースがまとめられており、私はAZLA SednaEarfit Crystal for TWSを購入。
SONY WF-1000XM4におすすめのイヤーピースはどれなのか?元イヤホン専門店スタッフである筆者が、16機種のイヤ…
ちなみに、サイズ判定機能によりジャストフィットするサイズのイヤーピースを見つけることもできます。
左右の耳の穴の大きさが違ったことに驚き…。
AirPods Proと比較―iPhoneでの使用感
AirPods Proとの比較表
WF-1000XM4 | AirPods Pro | |
---|---|---|
装着感(個人差が大きい) | △ | ◎ |
ノイズキャンセリング | ◎ | ○ |
外音取り込み | ○ | ◎ |
音質 | ◎(圧勝) | △ |
連続音声再生時間 | 最大12時間/ 最大36時間(ケース込み) | 最大5時間/ 24時間以上(ケース込み) |
音声アシスタント | Siri Amazon Alexa Googleアシスタント | Siri |
iPhoneでの操作性 | ○ | ◎ |
音質は言うまでもなくWF-1000XM4が優れています。
また、ノイズキャンセリング機能も低音域から高音域全てにおいてAirPods Proよりも優れていると感じました。
WF-1000XM4とAirPods Proのそれぞれ優れている点を使用感に重点を置き解説していきます。
AirPods Proが優っている点
AirPods ProがWF-1000XM4に優っている点は次の通り。
- 装着感
- iOSデバイス間でのペアリングのシームレスな切り替え
- コントロールパネルでノイズキャンセリング⇔外音取り込みの切り替え
以上の点から、ぶっちゃけWF-1000XM4のiPhoneでの操作感はAirPods Proには劣ります。
WF-1000XM4もイヤホンをケースから取り出すと自動的にデバイスとペアリングするという点はAirPods Proと同じで快適。
しかし、iPhoneからiPadとデバイスの切り替えの際には、「設定→Bluetooth→デバイスの選択」と数ステップ踏まなければならないので操作感はやはりAirPods Proに軍配が上がります。
また、コントロールパネルでノイズキャンセリングと外音取り込みを切り替えられるのもAirPods Proの利点。
WF-1000XM4が優っている点&改良方法
WF-1000XM4がAirPods Proに優っている点は次の通り。
- 音質
- ノイズキャンセリング機能
- Alexaなどの音声アシスタント
WF-1000XM4が操作性でAirPods Proに優っている点はAlexaを搭載している点です。
Alexaを搭載していることで前述の通りAmazon Musicの操作や音量操作を音声で行えるのが魅力。
また、弱点であるデバイス間のペアリング切り替えに関しては「ショートカット」アプリを駆使することでかなり改善できます。
「ショートカット」アプリとは、iPhoneやiPadの複数の機能や操作の自動化を設定できるアプリ。
画像の手順で作成したショートカットをホーム画面に追加することで、ワンタップでWF-1000XM4とペアリングできます。
また、ショートカットのタイトルを画像のようにすることで、Siriに「ペアリングして」と頼めば接続することも可能です。
結論おすすめ?
結論、WF-1000XM4は超おすすめできるイヤホンです。
音質はもちろん、ノイズキャンセリング、操作性、立体音響など魅力はこの記事でも語りつくせていません。
もはやイヤホンを音質だけで選ぶ時代は終わっています。
イヤホンの新規購入、買い替えを検討されている方は、WF-1000XM4を候補に入れられることを強くおすすめします。